これだけ癒しブームだと『アロマテラピー』という言葉を誰でも聞いたことがあると思います。
日本語でいうと芳香療法。アロマテラピーはエッセンシャルオイルを使うことだけがメインと思われてますが
何もそれだけではありません。香りを楽しむ文化は古くからありました。
古代では香料はとても珍重されていて、イエスキリストが生誕した際に3人の賢者が捧げたものが
乳香(フランキンセンス)、没薬(ミルラ)、そして黄金であったと言われています。
あのクレオパトラは様々な香料を駆使し香りの演出で権力者達への政策を図ったといいますし
古代エジプトでは没薬はミイラ作りに欠かせないものでした。
エッセンシャルオイルよりも古い歴史をもっているのが樹脂インセンスであり
またネイティブアメリカンなどに伝わるハーブなのです。
ここで言うインセンスとはよくある線香タイプのものではなくて
薫香炭などを用いて焚く、いわば西洋の香道のようなものです。
昨今アロマテラピーの紹介といえばエッセンシャルオイルを中心に芳香浴だけではなく
内・外用でのメディカル的な面と美容面が注目され、情報もあふれていると思いますので
ここでは香りを楽しむ文化の原点とも言える樹脂インセンス、ハーブに注目して
少しずつエピソードなどを紹介していきたいと思います。






VOl.5 マスティック(別名:洋乳香) Pistasia lentiscus 
マスティックはギリシャのヒオス島に生えるコショウボクというビスタチオの仲間の木の樹皮を傷つけて採取します。ヒオス島で
は「キリストの涙」とも呼ばれ、黄色い粒状をしたレモン様のフルーティーでフレッシュな香りが特徴。古くから歯磨き剤として利
用され、古代ギリシャでは樹液をそのまま口に入れて噛む習慣があり、またマスティックの枝先を砕いて繊維状にしたものは
歯ブラシ&歯磨き粉の代わりして使われていました。(現在でもナチュラル系歯磨き剤になどに配合されています。)最近では
マスティックの持つ薬効がピロリ菌対策に効果があるといわれ、研究されています。心を落ち着けて疲れを癒し、精神を集中さ
せるのに適しているとされ、感情的なバランスが乱れているときなどに向いています。



VOl.4 ベンゾイン(別名:安息香)Styrax benzoin
エゴノキ科の幹に傷を付けて樹液を採取し、乾燥したもの。甘いバニラのような香りがしますが、これはバニリンという成分がが多く含まれるためです。古代より用いられてきた薫香の1つで、これを焚くと悪霊を追い払うといわれていました。どの香りとも相性がよいのでブレンドするのに向きます。焚くとややスパイシーでやさしい香りがします。別名に「安息香」とある通り、この樹脂を焚くと気管支を楽にする働きがあるとされ、現在も漢方生薬などで鎮咳剤として利用されています。主な産地はジャワ、スマトラ、インドネシアなどですが、通常のベンゾイン(Styrax bezoin)よりも シャムべンゾイン(Styrax tonkinensis)といわれるモノの方がやや繊細で高価とされます。その他にも歯磨き粉や化粧品の原料としても使用されています。



VOl.3 セージ Salvia officinalis
薬用ハーブとしてもパワフルなセージは古くはネイティブアメリカンの儀式などによく用いられてきました。ハーブ調でありながらもややスパイシーな渋さや動物フェロモン的なものを感じさせる香りがします。悪霊・マイナスエネルギーを除いて浄化する力が高いといわれています。セージを束状にしてスマッジングに使ったり、パワーストーンの浄化などにも使われます。薫香に用いられるセージにはいくつかありますが、ホワイトセージ/インディアンセージともいわれるアメリカ産のものは香り・パワー共に優れています。一度に大量に焚くと場合によってはトランス状態になることがあるので注意が必要です。
(※スマッジング・・・セージを束状にして先端に火をつけ、そこから出る煙で空間や物を燻して浄化する行為です。)



VOl.2 ミルラ(別名:没薬) Commiphora myrrha
ミルラはフランキンセンスとともにもっともよく知られた芳香物質です。フランキンセンスと同様に樹木を傷つけて出た樹脂を採取して乾燥させます。聖書にも載っているほどミルラの歴史は古く、その殺菌・防腐効果は古代エジプトでのミイラ作りにも利用されてきました。(ミルラという名前もこのミイラ作りから来ているという説もあります。)焚くとややビターで重く、若干スパイシーさも感じるバルサミック調の香りがします。この香りには肉体と精神を融合させる作用があるとされ、心を穏やかに鎮めて瞑想したい時に向くとといわれています。



VOl.1 フランキンセンス(別名:乳香/オリバナム) Boswellia carteri
フランキンセンスは南アフリカのある一帯に生息する「乳香樹」から採れます。まず幹に傷をつけ、そこから出てくる樹液を約2週間ほどそのまま乾燥させてから採取します。主な産地はソマリア・オマーン・エチオピアなどですが、産地によりグレードや香りも異なってくるようです。質の良いフランキンセンスは焚くとエッセンシャルオイルとはやや違う、爽やかで澄んだ神聖な香りがします。フランキンセンスは神との交わりを意味するとも言われており、浄化やメディテーション、新しいことを始めたい時などに焚くと良いとされ、今でもイスラム教やキリスト教カトリック系の教会では宗教的儀式の際に使用されています。



樹脂インセンス・ハーブの焚き方

@まず、耐熱性の容器(専用のインセンスボウル、なければ灰皿など)の皿に薫香砂を入れます。
 ※火のついた器は炭の熱で熱くなります。燃えやすい物の上には置かないように気をつけましょうまた器の底面が熱すぎ
   るときには濡らした布巾などを敷いておくと良いです。

A薫香炭をピンセットなどでつまんで、端に火をつけます。

B着火すると次第にパチパチと火花を出すので、砂の上にそっと置きます。

C鳥の羽や団扇(無ければポストカードなどでも可)で柔らかく風を送り、薫香炭全体に火が回るまで
  ゆっくりと待ちます。

D炭全体に火が回り赤くなったら一粒(粉状のもの・ハーブは一枚もしくは一つまみ程度)を炭の上に
  乗せます。

E通常の線香のように一すじ煙がたちますので、その煙がおさまるまで香りを楽しみます。
  ※この時、大量に乗せるとかなりの煙が出ます。少量でも十分香りを楽しめますので、少しずつ乗せるようにしましょう。

◆薫香炭は大きさにもよりますが、直径3〜4cm大のもので約1〜2時間程度燃焼します。煙がおさまり薫香を終えるときには
  必ず砂の中に炭を埋めて火を消してください。






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